85歳のスイマーは、自転車に乗って颯爽と現れた。赤いヘルメットを被って。
自分で塗ったという輝くシルバーネイルとビビッドピンクの口紅がプールサイドに映える。
川崎市宮前区の丸山房枝さん(85)は今年2月にカタール・ドーハで開催された世界マスターズ水泳選手権で、個人メドレーやバタフライなどに出場し、背泳ぎで最高2位になった。
小学生のころは、勉強もせず運動ばかりしていた。
美容学校を卒業し、美容師として働いていた。40歳のとき、バイクで転倒して鎖骨を骨折。そのリハビリとしてサギヌマスイミングクラブ宮前平(川崎市宮前区)に通うようになったのが「水泳人生」の始まりだ。
犬かきから始めたが、めきめきと成長し、初級、中級、上級……と進級していった。
市民大会で優勝してからはどっぷりはまり、ひたすら泳ぎ続けた。
【動画】サギヌマスイミングクラブで練習する丸山房枝さん=稲葉有紗撮影
「水泳っていいな」と思う瞬間は
これまでに獲得したメダルは…